「横浜絵」は江戸時代、唯一の開港場長崎を背景にオランダ人や中国人の風俗などを描いた「長崎絵」に対する呼び名で、開港期の横浜を舞台に、異国風俗を紹介した多色刷の木版浮世絵である。その作品は,およそ800点にのぼり、そのうち約70%は横浜開港の翌年(万延元年)と翌々年(文久元年)に描かれた。
貞秀・芳虎・芳員・二代広重・三代広重・国輝らにより、外国人のくらし・港の風物・港崎(みよざき)町遊廓・馬車・陸蒸気(おかじょうき)・人力車などが描かれ、横浜を訪れた人々に民衆絵として親しまれ、横浜のみやげの一つとしても人気があった。横浜の発展のようす、文明開化のようすなど知る貴重な資料といえよう。
参考 神奈川県の歴史散歩 山川出版社 1996
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